【京都府】京都は水が豊富だったのか

京都府

京都は水が豊富だったのか、旅をして分からなくなった。一千年近く都が置かれていたというイメージから、京都は水が豊富だと思っていた。しかし旅で錦市場と蹴上インクラインに行ったら、そうでないと知り軽い衝撃を受けた。

食べ歩きが人気の観光スポットで知られる錦市場は、烏丸や河原町、四条周辺にある商店街である。昔からある歴史の長い市場で、江戸時代に「京の台所」と呼ばれた400年の歴史があるが、それは正式な記録であって、市場としての起こりは平安時代の頃からと伝えられている。

古くなら市場だったのは、豊富な水があったからだ。質の良い地下水に恵まれ、冷たい地下水で魚や鳥を保存することができ、人口の多い京の中心部にあり、また天皇のお住まいの御所に近く納入に便利だったことが、錦市場を発展させた(錦市場のHPより)。

昔は一年を通して15度から18度を保つ地下水を汲み上げる降り井戸が各店にあり、それが生鮮食材を保存する冷蔵庫の代わりになった。この地の水は「錦の水」と呼ばれ、京の台所を支えた名水として知られている。錦市場の小路の先にある錦天満宮では、現在も「錦の名水」がこんこんと流れている。

錦の水が重宝されたのは、周辺に湧水がないからだ。近くに鴨川があるが、鴨川は長雨・大雨の時に一時的に洪水を起こすだけで、夏は渇水が多い。だから明治時代に琵琶湖から水を取り入れる琵琶湖疏水が造られた。現在も京都市の飲料水は周辺の山から流れる水ではなく、琵琶湖の水が利用されている。

その琵琶湖疏水の遺構が蹴上インクラインで、桜の名所として知られている。近くには蹴上浄水場があり京都市民の生活を支え、琵琶湖の水がないと京都市民の生活は成り立たないと、蹴上インクラインを訪れて知った。

ネットで調べると、京都で水が豊かな場所は、鴨川の上流と錦市場、そして酒造りで名高い伏見とある。それ以外の場所では全体的に水が豊かではないと。その一方で、京都の地下には大量の水があり、京都は水が恵まれていると書いているサイトもある。

地下に水があるからと言って、それが使えるかはまた別の話だろう。なら何故京都は水が豊富と言われるのだろうか。謎は深まるばかりである。

食べ歩きで人気の錦市場の奥にある、錦天満宮
境内には錦の水がある
桜の名所で知られる蹴上インクライン
インクラインの近くには南禅寺水路閣があり、琵琶湖の水が流れている


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