【小話】現代 お寺と方角

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天子南面について調べていたら、仏教にはそれぞれの宗派が大事にしている方角があることを知った。仏教では十の方角に極楽浄土があり、それぞれの方角に仏がいると考えられているらしい。本殿に祀るご本尊によって、その極楽の場所が違い、本殿の向きや門の位置が違うことがある。

天子南面思想では北を天子(皇帝)や仏のいる上座とするから、本殿の向きは南向きとなり、寺の門も南向きにある。有名にお寺に南大門があるのは、そういった理由による。参詣者は南からお寺に入り、北に位置するご本尊を拝むようにお寺が造られている。

南向きに造られているお寺は、法隆寺・飛鳥寺・興福寺・東寺が有名で、室町期の禅宗建築もこの型式が踏襲されている。宗派でいえば、曹洞宗や臨済宗も南向きのものが多く、お釈迦様が説法をするときに南を向いて座っていたからだともいわれている。

東寺の南大門

意外にもお寺は南向きよりも東向きに造られていることの方が多く、天台宗・浄土宗・浄土真宗は東向きになっている。ご本尊が阿弥陀如来が西方浄土にいるとしているためである。時宗も同じらしい。

それ以外の宗派は、真言宗と律宗は本山のある方角を向き、日蓮宗や法相宗、華厳宗は特に決められていないらしい。

阿弥陀信仰のお寺では西方浄土を向く形となる東向きにご本尊が祀られるが、、観音菩薩なら南、弥勒菩薩なら北、薬師如来も東と、特定の本尊に由来する方位によって決められるものらしい。また山岳信仰の寺院の場合は、仏教化する以前からの聖地を拝する形で建てられる場合もあるようだ。

ネットで少し調べた限り、こんなことが分かった。本を読んで何か分かったら、また補足したいと思う。

こういうことを少しでも知っていると、散策をする時により楽しめると思う。普段方角など気にしないが、お参りをする際には方角を意識して見ると、また別の発見があって面白いのではないかと思う。

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