2015年7月に電車日本一周の旅をした。仕事を辞めて約2カ月日本各地を旅したのだが、せっかく日本を回るのなら少しでも日本の文化や歴史を知ろうと思っていた。そんなことは本を読んだりYouTubeを観たりしてもできるのだが、当時は実際自分の目でいろいろなものを見てやろうという意気込みがあり、博物館や寺社の宝物館に立ち寄ることが多かった。
旅の初日は静岡県に行き、登呂遺跡と駿府城公園、浜松城に行った。当時は正直、静岡県で行きたい場所が特になく、苦し紛れに上の3ヵ所に行くことにした。これから向かう伊勢神宮や京都・奈良、熊野三山や高千穂峡といった名だたる日本の観光名所に比べると、どうしても登呂遺跡や浜松城は色あせてしまい、静岡はメインの観光地に行くまでのつなぎであり、一つの通過点に過ぎなかった。
そんな気乗りのしない旅ではあったが、登呂遺跡は行ってみると想像以上の面白さがあったし、浜松城は感慨深い場所だった。登呂遺跡は館内のパネルの説明が分かりやすく、新しく知ったことが沢山あった。また気になったことをメモしておいて、旅が終わってから調べてみたら、面白いことがいろいろと知れた。
一方、浜松城は家康が17年も居た城で、様々な難題に立ち向かった場所である。家康はこの土地で一つ一つの難題を片付け、領国経営を確立していき遂には天下を治めるところまで駆け上がったのかと思うと感慨深いものがあったし、そうした場所に行くと自分もまだまだ頑張れるなと力が湧いてくる、素晴らしい場所だった。城内にある日本庭園もいい場所で、おかげで日本庭園に興味を持つきっかけにもなった。
しかし駿府城公園はいうと…これはどうしたものか、行って良かったと思えるものが何一つなかった。どうして行ったのか、何をしに行ったのか、疑問が残る場所だった。今では城はなく、公園になっているのだが、博物館がある訳ではないし、庭園が有名な訳でもない。登呂遺跡と同じで静岡駅からアクセスできるということで、ついでに寄ったのだろうが、それにしてもわざわざ行かなくてもと思うような場所だった。
しかも公園の休憩所に着くなり、急に大雨が降ってきて立ち往生してしまった。せっかくだから園内を歩いて回ろうと思っていたが、そんな気持ちも何だか急に冷めてしまい、雨が収まるのを見計らって直ぐに静岡駅に戻ったのを覚えている。駿府城公園でしたことといえば、雨宿りと、かいた汗を拭いただけだった。
そんな旅から5年が経ち2020年になると、コロナウイルスの影響で旅も外飲みもできなくなった。急に休日が暇になったのをいいことに、以前から作ろうと思っていた旅ブログを始めることにし夏には電車日本一周の旅を投稿することになった。昔の旅を思い出すといろいろと書きたいことがでてきて、このサイトを別館サイトにして旅で知ったことや感じたことを書くことにした。
しかし旅の1日目の静岡県については書くことが見当たらない。旅が終わってから5年の間に静岡のお茶や焼き物に興味が出て、旅をしたこともあったのだが、駿府の地についてはこれといって興味が持てず書くことが全く思い浮かばない。旅の1日目が書けないと先には進めない訳で、どうしたものかと思ったが無理をしても仕方がないので、開き直って本を読むことにした。そしたら駿府について調べるきっかけとなる本に出会うことができた。
次回に続く
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